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やりたい事をやるための人生。そんな人生をエンターテインメントする小堀氏。

LIVES

2019.5.1

バンド活動・カメラマン・写真館経営・M&A・物件リノベ・会社経営 あらゆる仕事に挑戦しつつも”やりたくないことはやらない”という自分自身の意思を貫き、現在もなお新しい事に挑戦し続けているリノベーターの小堀氏。

今回はそんな彼の複雑でどこか暖かい思考を1つ1つ紐解いていく。

様々なことをやってみて気づいた”やりたくない事”

全てのスタート

中学の頃からずっとバンドやっていて、21歳で結婚したそのタイミングで音楽をやめて。それで楽器とか持っていた機材を全部売ってカメラを購入しカメラマンをスタートしました。

アンプとかギターは結構良いものを使ってたんで、それなりの額になったんです。

僕がバンドやってた時に、僕のバンドを撮ってくれていたカメラマンさんがいたんですよ。 そのカメラマンさんにバンド辞めてカメラやりたいって相談して、全く同じ機材を買ってみたんです。

分かんないから全く同じやつを買って。その人に教えてもらうのが1番の練習になるかなと思って。それが全てのスタートです。 そのカメラマンさんに仕事先まで紹介してもらって。本当に今でも感謝してます。

明治神宮で昼間はブライダル撮って、夜はライブやアー写やらを撮ってみたいな。 数年そんな事をやっていたら、取引先も増えて。

でも、増えたところで自分の体は一つ。 動ける範囲が限られてしまうのと、仕事をもらう側だと自分の努力でどうにもできないところで売上だったり、自分以外の要因で左右されてしまう。

そんな仕組みから脱却しようと考えて、まず下請けはやめよう、自分で集客できるようになろうと思い、マーケティングの本を読みあさって自宅から通える距離に写真スタジオを作りました。 28歳の時ですね。

カメラマンとして何でもは撮らない

「こども写真」というジャンルにシフト

ブライダル、ライブ撮影、アー写、広告、ECサイトの通販用だったり、映画のスチールも撮りました。 最初の数年はもらった仕事は全部やってみて。でも、何でも屋から脱却しなきゃいけないと思いました。

とにかくもらった仕事は全部受けてバンバン撮るっていうことを最初はやってはいたんですけど、“何でもは撮らない”という自分の中での軸ができてきました。便利屋にならないって感じですかね。特化する。

軸を1つ決めて、まずそこを確立させてから、それに付随するものにしていこうと。
その当時には自分に子どもがいたんですけど、日常的に撮っていて。子ども撮るの楽しいなって思って。

親目線で、プロのクオリティで写真を撮って提供できたら勝算はあるんじゃないかと思ってそれで少しずつ”子どもを撮ること”にシフトチェンジしていきました。

全く違う新しい世界への挑戦〜練習で家を買う〜

写真スタジオを自分で作ったりしているそのうちにDIYで”作る”ことが面白くなっていったんですよね。不動産関連、リノベージョンですね。 そこに面白みがあったのでやってみようってなって。

1番最初は数十冊くらい関連書籍を買って全部読んでひたすら調べて、ブログで見つけた不動産関連でうまくいっている人に費用払って会いに行ったりとかして。そしてまずちょっと練習で家を一つ買ってみようと思って買ってみましたね。

壁や天井をぶち抜いたりもしますよ。みんながほんとに見向きもしないような、ボロ物件を土地値以下で結構買ってます。

そういう情報はインターネットで見つけることもあれば、不動産の方と連動して、こういう物件が出ましたよっていう連絡をもらって実際に見に行って、良さげだったら値段交渉します。 ここにきてバンドをやっていた時の交渉術がめっちゃ活かされてると思います。

結局やっている事は変わってないのかも

結局バンドも打ち上げでどんだけパンチ残せるかみたいなあるじゃないですか。 それにある意味共通なのか分からないですけど、結局その売主にめっちゃ気に入られて、すごく安くしてもらう交渉なんだと思うんですよ。もう君だったらいいよみたいな。(一度不動産屋が握った物件は基本的に買いません)

特に先輩でも後輩でもお客さんでも色んな人と話すじゃないですか。 何百人の前で演奏してたわけですから、多少のことでビビったりもしなくなりましたね。何事もやってみようって。

今思えばやってる事自体はあんま変わってない気がしますね。 扱うものが変わっただけなのかなっていう感じですよね。今思うと。

バンドだったら自分たちで曲を作ってレコーディングしてCD作ってライブで売りますよね。無いところから商品を作って販売までの流れをやっていたわけですから

今やっているリノベだったら安いボロ物件を自分で仕入れしてリノベして売るでも、カメラマンとして何も無いところから自分ブランディングをして撮影という商品を売っていくのでもあんまり変わらないですよね。

でかい夢って実はめっちゃ近い

バンドをやっていて良かったなと感じることが結構あります。

サラリーマンやってたりとか、普通の人達って自分が見る夢に対して「無理だよ」みたいなハードルが高く感じてしまう人の方が多いと思うんですけど、でもバンドやってるとすごく近しい仲間がめちゃめちゃ売れたりとか、バンドやめてその後に起業して大成功した仲間も沢山いて。

実体験もあるんですけど、バンドの時のそういう意外とすごくでっかい夢っていうのは実はめっちゃ近いじゃん!っていう。全然根拠は無いのにやれる気がしちゃう。ほんとにそういうなぜか根拠の無い自信っていうのがあるんですよ。

その中で結局、好きな事やりたい事をやってるわけじゃないですか。なのでバンドやっていた頃とあまり考え方は変わってないかもですね。これがやりたいんだ、自分はやる!っていう。

ただ今と昔と違うのは、自分をある程度俯瞰して見れるようになったこと。やりたいことでマネタイズする方法がわかってきたって感じですね。

人生をエンタメに

失敗しても面白ければいい

生き方をエンタメにするっていう根本的な考えがありますね。 だから僕、4月3日から沖縄と今の関東の住まいと2拠点居住してるんです。今年のお正月休みで沖縄にはじめて行って、いいね住んじゃう?みたいな話になって

 一旦行って、とりあえず住んでみちゃう。それも面白いじゃないですか。
で、それこそ僕が向こうで成功したとしても、失敗したとしてもそれはもうある意味コンテンツなんですよね。

どちらにしても、面白く誰かに提供できるコンテンツだなと思ってて、それで「やっぱダメだったわ」って帰って来てもそれが面白おかしくなっちゃえばいいんですよ。

でもそれが成功したとしても、逆にそれみんなもできるじゃんっていう、再現性を持たせてあげたら、やりたい人がもっとついてくるとは思うんですよ。

何かビックサプライズを人に与えていかないとエンタメにならないですからね。 でもそれも、全員に刺さらなくていいんですよ。

今は小さい経済圏でも回る世の中になってるんで、まずは知ってる仲間だったり繋がっている誰かからでもいいと思っています。

隠してても面白い事ってない、写真館のコンサルを始めた理由

写真スタジオを立ち上げて5年経営して去年の年末にバイアウトしたのですが、意外と色んな人から経営相談されて。結構みんな困っているんだなって感じて。僕はその5年間でほんとにうまくいったんですけど、ほんとに困ってる人が多いんです。

これからはちょっと人の役にも立ちたいって部分も多少あったのかもしれないですね。自分が持ってる知識を使えるんだったら、貸してあげたいなっていう。

それと、情報自体がすごくオープンな時代になったんだと思うんですよね。色んなものがオープンにされていってて、逆に自社だけだよってやってるところももちろんあると思うんですけど逆にオープンにして、すればするほど色んな人からのレスポンスがあって、そうすると更にまた情報貯まるんですよ

 そこからの自分の成長がすごいあるなと思っていて。そしたらお互いにすごくWIN WINじゃないかなって思うんですよね。隠してても面白いことはないじゃないですか。

真似して、真似されて 結局人間がついてくるか、ついてこないかっていうのは、再現性があるかどうかにもよってくると思うんですけど、例えば僕がじゃあこっそり色んなビジネスをやって一人でお金持ちになっても誰も幸せにならないんですよ。

 でもそれを、例えば僕の失敗談も成功談も全部エンタメとして出していって、真似したい人は真似できるじゃないですか。別に自分と同じ方法で成功してもらったっていいと思うし。

そもそも僕だってカメラとかお世話になっていたカメラマンさんに教えてもらってその人の情報を散々もらって今まで食えてるわけですから。 だから真似するし、されても全然OK! そういう自分だけで留めない、出していくっていうのを今は大事にしているつもりです。

その都度思いついたやりたい事をやる

今後の目標とかいくつかあるんですけど、その都度色んなこと思いつくのでそれをまずは検証して実際にやってみるって感じですね。 自分の時間の配分で、それをどうやるかっていう感じで。

それと自分の周りで、小さなコミュニティでもいいから、そこの経済圏がちゃんと回っていればいいなって思ってます。

やりたい事をやれる人生

やりたくない事が沢山ある世の中で、自分のやりたい事をやれる幸せ。
しかしその裏では想像以上の苦悩があったに違いない。

だが今回取材した中でもそんな裏の苦悩はあまり聞けなかった。

そしてそれこそが”人生をエンターテインメントにする”ということなのかもしれない。
やりたい事をやる力のある彼が今後またどんな事にチャレンジしていくのか、とても楽しみである。

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