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「おばあちゃんになっても好奇心旺盛でいたい」ヘアモデル まな氏の”自由”な生き方に迫る

FASHION

2019.6.15

「地元から逃げたかった」はじめはそんな理由で上京した1人の女の子が、東京で開花した。

”自由業”だからこその不安や悩みを持ちつつも、いつも笑顔で周囲を明るく照らす太陽のような存在のまな氏。

そんな彼女がなりたい”自分が納得できる自分”とはどんなものなのか。

その1つ1つを話してもらった。

 

何も無駄じゃない経験

憧れの東京で初めての活動

小学生の頃からずっとバレーボールをやっていたので、中高に進んでもこれまで通りバレーをやり続けて、普通に就職するんだろうなって思っていました。

そんな中、小学5年生の時に父が病死したんです。

それが引き金だったかはわからないんですけど、反抗期みたいなものが始まって、今までやっていたバレーも全部やめてダンスを始めました。
その繋がりで友達とかと東京へ行くことが多くなって、いつの間にかそれが楽しみになってましたね。

出身は山形なんですけど、元々好きじゃなかったんです地元。今は好きですよ。でも当時はなんか違うなぁと思っていて、早く出たいって気持ちが強かったです。ただすぐ出れるわけもなく、中高は地元の学校に通っていました。

東京に遊びに行った時に出会った方からアイドル活動を進められて、やってみるかって中学2年生の頃に地下アイドルを始めたんです。高校卒業までやってました。

金曜の夜行バスで東京に来て、土日活動してその足で夜行バス乗って帰って学校に行くっていうのを約5年。

アイドル活動は、私にとっては新鮮な経験ばかりだったのですごく楽しかったんですけど、やっぱり学校との両立は大変でしたね。
でも元気だけは昔からあったので、気合でがむしゃらに突っ走ってました(笑)

しんどい時もあったけど、その5年で学べたことが今の仕事に生かされてる部分もあるので、何も無駄じゃなかったんだなと感じます。

私が地下やってた頃のファンの方が、今も私の活動を応援してくれたりして。やっと私やりたいこと見つけられたよ、これからまた頑張るよってみんなに伝えたいです。(笑)

東京での生活、出会い

高校卒業と同時に上京しました。やっとって感じでしたね。
東京で何かやってやりたい!って思いは持ちつつ上京したんですけど、当時はやっぱり地元から逃げたいって思いの方が強かったと思います。だから何かやりたいって言ってもぼんやり思ってるだけでした。

とりあえず食っていくために働かなきゃと思って、ラブホテルフロントのアルバイトを始めました。
ただ求人を見てパッと決めただけだったのに、バイト先で出会ういろんな人と話してすごく刺激を受けたんです。

私、何かしなきゃ何かしなきゃってただ”何か”をぼんやり浮かべて焦ってる感じだったんですよね。
でもそこで働いてる人って”自分のやりたいこと”をひたすらにやってる、みたいな人ばかりで。

バンドやってたりとか、それこそYouTuberになりたい人とか、周りを気にしない人が多かったんです。
中には何もしてない、みたいな人もいるんですけど。でもそのことに焦ってないんですよ。
”まだやりたいことが見つかってないから”って感覚なんです。人生は長いからって。

そういう人たちと関わるようになって、ようやく自分の中でぼんやり描いていたものが形になってきたというか。

”何か”は明確ではなかったんですけど、このままぼんやりしててはダメだと思い始めました。

ヘアモデルとして

今の自分への第一歩

上京してから1年くらい経った時に募集を見てカットモデルをやってみたんです。その時はただ「無料で髪を切れる!」くらいだったんですけど。(笑)

その時に担当してくれた美容師の方から「大きいコンテストがあるんだけど、モデルとして出てくれない?」って声をかけられたんです。それがすべてのきっかけですね。

もともとアイドルやってたこともあって表舞台に立つことは好きではあったんですけど、でも美容は今まで1度も踏み入ったことのないジャンルだったので不安だらけでした。

本当に何も知らなかったけど、でもやりたい気持ちが強くて。昔から好奇心旺盛だった自分が背中を押してくれました。

何も知らない私だったけど、実際コンテストのモデルやってみたら本当楽しくって。

本当に最初のきっかけは、イメチェンしたくて美容室に行ったんですけど、美容室で切ってもらった以上にバッサリ切られるしカラーもやったことのない派手色だし全部がめちゃくちゃ刺激的で、なにこれ楽しい!って超興奮しました。

それでコンテスト終わった時に、人生でこんなことそうないしいい経験だったと思って記念みたいな感じでコンテストの写真をSNSにアップしたんです。

そしたら上京して美容師してる地元の先輩からうちのモデルもやってくれない?って声をかけていただいて。今もそういう形でいろんな方からお仕事いただいてるので本当にきっかけってどこにあるかわからないんだと思いました。

よくみんな言いますけど、人生何があるか本当にわからないです。そういう意味では考え方も結構変わりました。
前向きになったというか、寛大になったというか。(笑)

私アイドルやってた頃に”下積みが大事だ”ってめちゃくちゃ言われていたし、自分自身もそう思ってたんです。

ポッっと出のアイドルとかが特集されているのを見るたびに複雑な気持ちになってたんですけど、今思えば、あれ?私もポッと出じゃん!って。(笑)

下積みがあるから良い悪いとかないですよね。その仕事に対する姿勢なんじゃないかなって思います。

みんなの思いをすべて出し切るのがヘアモデルだと思ってます

ヘアモデルの悩みとしては、髪が。(笑)
だいぶ無理させているので、そこが悩みです。髪が生きてない。(笑)
美容師さんみんな「生きて〜」って祈りながらセットしてくれます。

だけど、未だに自分じゃ思いつかないようなスタイルになったりして、本当に楽しいです。
自分でも知らなかった自分に会えるんです。こんな自分いたんだって思う。

ただ、コンテストも撮影もあくまで美容師さんが主役なんです。
そこは絶対に勘違いしないようにしてます。

ヘアモデルやらせていただけるようになってからコンテストは全部で10回くらい出させていただいてるんですけど、
どれも思い入れが深いですね。どれも鮮明に思い出せます。

コンテストって、ヘアやメイクはもちろん衣装も手作りなので、美容師さんがすべてをかけて臨んでいるものなんです。
その一部始終をそばで見ていたりするんですけど、本当に大変そうで。
美容師さんがそこまでの思いをかけているんだから、モデルも同じくらいの熱量でいないといけない。

そんなみんなの思いをすべて出し切るのがヘアモデルだと思ってます。だから本当に”一緒に作っている”って感じですね。

表に立つだけがモデルじゃないんです。それまでの過程や苦労や思いを全部受け入れた上で、表現する。

実際私もまだまだ勉強中なんですけど。いろんなモデルさんとかいる現場に行くと撮影中のモデルさんずっと見てあんな表情があるんだ、とか、そういう表現ができるんだって観察して勉強してます。

そういう勉強をしながら、あのモデルさんと自分の違いとか、今いただいてるお仕事に関しても自分じゃいけない理由ってなんだろうとか、自分だからこそ表現できるものってどんなことだろうって考えてますね。

答えなんて見つからないんですけど、考えることと挑戦することをやめたくないので。
ずっと考え続けるのかな。(笑)自分を納得させられる自分になりたいですね。

新たな挑戦

最近YouTubeを始めたんです。昔からダンスをしていたのもあってYouTubeで”踊ってみた動画”を見たりしてたんです。
それで自分もやってみたい、踊りたいって思いがずっとあって。

1回コンテストで一緒になったモデルの子と仲良くなったんです。その子がもうすでに踊ってみたをやっていて、「私もやりたい」って言ってたら一緒にやろうって言ってくれて。

その流れで今は2人でユニットのような形で活動してます。今は3作品出していて、登録者さんが100人行きました。

曲の振り付けを覚えるのも楽しいし、踊ってみた動画って結構街中で撮影されていることが多いので
私生活でよそさうなスポットがあったらここで撮ってみようかなとか自然に考えちゃうくらい今はもう動画撮影が生活に染み付いてますね。この風景ならあの曲が合うなとか、あの曲にはどんな衣装がいいかなとか、1から自分たちでプロデュースできるのがYouTubeの強みですよね。

でもやっぱりシンプルに2人とも踊る事が好きなので、それを全身で表現して評価してもらえるのはとっても嬉しいです。

YouTuberって括りになるかもしれないんですけど、本当まだ初めて2、3か月だしまだ全然勉強中なので”YouTuber”って感じじゃないんですよね。まだYouTuberの”ゆ”くらい。(笑)
ちゃんと2人ともが胸張って「YouTuberです」って言える日が来ればいいな。

ただ毎回の動画に再生回数とか新規登録者とか、目標つけたりはしてるんです。目標や課題をクリアするとより一層気持ちが強くなるというか、2人でやっているものだし、団結力も高まると思うので。
クリアするために2人でどうしたらいいかとか考えて、試行錯誤するのも楽しいです。

思えば今は好きな事全部やれてる感じですね。踊りも好きだったし、表現するのも好きだった。
それぞれの場所でそれぞれの思いで活動してる。
すごい楽しいし、恵まれてるって思います。

自由業としての今後

『なりたい自分』と『何者にもなりたくない自分』

本当に好奇心旺盛で、今までも今現在も、いろんなことやってるしさらにやりたいとも思ってるしこれからどうなるかって自分でも全然わからないです。

今改めて考えてみても将来的に”何者になりたいか”とか全然浮かばないです。
多分一生明確にならない気がしますね。

だけど、いつも誰かに影響を与えていたいって思いはあります。
それが私の芯かな。大事にしてる気持ちです。

何か始めることってそんなに難しくはないじゃないですか。始めるだけならそこに行くまでの強い気持ちがあれば誰だってできることだと思うんですけど、だけどそれを通じて誰かの気持ちを動かす、影響を与えられるのって本当に難しいと思っていて。

私はちょっとしたきっかけを通じてこのヘアモデルっていう業界へ進んだけど、楽しいって気持ちを持ちながら続けられているのはやっぱり目標とする憧れのモデルさんがいるからだと思います。

上を見続けるというか、目標に向かって一生懸命になってる自分が好きだったりするので。

私の場合同じ業界の方ですけど、その憧れのモデルさんとは全く面識ない状態で、ただ作品を見ただけでドキッとして、アドレナリンがバーッと出る感覚に陥るんです。

その作品の中に入り込んで、そこまで表現できるんだって。写真によっては別人に見えたりするくらい表情の幅も広くて。
それでいて、モデルさん自体も物事をハッキリ言う方なんです。ダサいものはダサい。相手がどんなに偉い方でも。

だけどそれは作品を思っての行動なり発言なんです。より良くしようって思ってるからなんですよね。そういう姿勢もかっこいいし、憧れています。

現場がたまたま一緒になって、お会いできる機会があったんです。嬉しく嬉しくて泣いちゃいました。一生の思い出です。

死ぬまで好奇心旺盛でいたい

今YouTubeもやってはいますけど、基本的にいただくお仕事は写真が中心なんです。だから今は反対に映像もやりたいって思ってます。

写真は写真で伝えられるものがあって、動画では動画で伝えられるものがあるって思うんですよね。
撮影とか、コンテストとか、ちょっとライブ感があるんですよね。生身で表現してるので。
今限り、今の一瞬を写真として納めている。それを映像化するのもまた違った表現に繋がって面白いだろうなって。

それこそMVとか出てみたいですね。音楽に合わせた表現はまだしたことがないので。

SNSにアップしてる写真だけを見て私にお仕事をくださる方とかに実際会うと、印象が違うとかよく言われるんです。思ってたより明るいねとか。(笑)
だからちょっと違うのかなって、動と静の私は。

ヘアモデルの時はどんな表情もするアートな感じで、YouTubeは明るくてよく笑うようなポップで可愛い感じって自分の中でもイメージ。自分的にもそのスイッチを変えてる部分はあるので。

自分の幅を広げたいんですよね。できないかもしれないことでもやりたい。
映像をやってみて自分はやっぱり静の方が向いてるんだってなるかもしれないですけど、それもまた新しい発見ってことになるじゃないですか。

それに、なぜかわからないですけど自信があるんです。(笑)やっていけるだろうっていう謎の自信が。
めちゃくちゃ努力しなきゃいけないのもわかった上で自分ならできるんじゃないかって。

好きなことを仕事にして、突き進んでる人ってそういう人多いんじゃないかなって思います。
いろんな弊害があるけど、それを乗り越えた人が勝ってるんじゃないかな。

でも、もともとこんなに自信家だったわけじゃないんですよ。臆病だったし。
19歳まで結構ギリギリだったんです。不安定になる程辛いことが多かった気がします。

だけど、人と関わることが多かったり人前で何かすることが多い仕事なので、なんか自然と大丈夫になりました。(笑)慣れたんですかね。
19歳の私が今の私を見たら真逆すぎてびっくりすると思います。

本当人生って何があるかわからないし、何か始めることで1人の人間が別人みたいに変わることもあるんだって身をもって知りました。

だから私は60歳になっても、もっとおばあちゃんになっても、今みたいな自信や好奇心みたいものを自分の中で常に持っていたいです。
死ぬまで、好奇心旺盛でいます。(笑)

まっすぐな芯

縁があり偶然進むことになった”ヘアモデル”という道への強い熱意。

やりたいことやってるだけですと言いながらも、そのやりたいことをやるために乗り越えなければいけない”やりたくないこと”ともまっすぐに向き合い経験として活かしてしまう。

彼女のその底知れぬパワーとエネルギーに魅了されるばかりだった。

何にも恐れず死ぬまで好奇心を持ち続けようとしている彼女が挑戦するこれからの活動が楽しみである。

INFORMATION

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さくまなチャンネル

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