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“夢を追い続けるピン芸人” ピストジャム

COMEDY

2019.1.22

よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のピン芸人
ピストジャム

夢を追いかけ、模索しながら”好きなこと”を追求している。

お笑い・絵・音楽。サブカルチャーに魅了されたピストジャム氏の考えを話してくれた。

普通に働きたくないな

その時は芸人という選択肢は一切なくって、、、

僕の生い立ちでいうと、、実は僕、小中高ってあんまり記憶がないんです。
僕、めちゃくちゃ勉強してたんですよ。本当に勉強しかしてなかったんです。
部活は一応剣道と陸上やってたんですけど、それもあんまり記憶がないんですよね。

中学受験でたまたま大阪星光学院っていうところに合格したんですけど、そこの偏差値が70以上あるんですよ。受かったから行ったんですけど、男子校で、学校も全然楽しくなくて、、。

普通みんな卒業しても連絡取り合う中学高校時代の友達っているじゃないですか。
僕、1人もいないんです、、。中高6年一貫の学校やったのに(笑)

そのあと高校卒業して慶應義塾大学法学部政治学科に入りました。

でも大学生の時は「将来は芸人になろう」っていう選択肢は一切なくて、大学4年生になるころに「やばい、あと1年で卒業や、、普通に働きたくないなぁ、どうしよう」ってなって、、。

勉強できひんかったらよしもとにいれるぞ

僕は小学生の頃からお笑いがとにかく好きで、ダウンタウンさんが大阪でやってた『4時ですよーだ』って番組をずっと見てました。ちっちゃい頃から土曜日は吉本新喜劇がやってるんでそれを見て育ちました。

でも関西では“勉強できひんかったらよしもとにいれるぞ”みたいな脅し文句が定番で、結局僕は親の言う通り勉強するみたいな。

で、勉強して大学まで行った結果、みずからよしもとに行くっていう(笑)

自分の将来のことを考えたときに「もう親の言う通り十分勉強したし、あとは好きなことやらせてくれ」って思って、それで出てきたのが「子供の頃からお笑い好きやったし、芸人やってみたいなぁ」でした。

で、調べたら東京にもよしもとが養成所みたいなのをやってるから「じゃ行ってみよー」っていう本当にそんな軽いノリでした。

で、大学卒業してすぐNSCっていうよしもとの養成所に行って、2002年4月にデビューしました。

ちょっとお笑いやってみよう

僕ね、もともと好きなのがお笑いと絵と音楽なんです。
音楽はノンジャンルで何でも聴くんですけど、中学時代から今も変わらず聴いてるのはハードコアです。音楽は聴く専門なんですけど、お笑いと絵は今プレイヤーとしてやってます。

絵は、小学校のときに近所にお絵描き教室があって、そこに通い始めたのがきっかけで始めました。その頃は水彩絵の具で絵を描いてたんですけど、二科展っていうおっきい展覧会があって、そのジュニア二科展っていう子供部門に、小学4年生から中学3年生までずっと入選してたんです。

結果が出ると自分ももっとやる気出るじゃないですか。「俺、結構いけるんちゃう」って。だからそれがあって、大学4年生のときに「将来どうしよう、、」って考えて最初に出てきたのは「画家になりたい」だったんですよ。

でも、画家って自分でその日に「俺、画家なんすよー」って言ったら、もうその日から画家になれるじゃないですか。

だから「画家はいつでもなれるな」って思って「じゃちょっとお笑いやってみよう」って流れで芸人になった感じです。

、、、無茶苦茶アホでしょ(笑)

お笑いで食べれるようになりたい

喋りも発想もやること全部すごいなって

子供のころから憧れてたのはダウンタウンさんですね。
ダウンタウンさんをめちゃくちゃ見てました。ずっと「すごいなー」って。

中高生のころに見てた大阪の芸人が僕の中ではやっぱりレジェンドですね。「喋りも発想もやること全部すごいな」って思って見てました。

でもお笑い始めてから東京のお笑いも見るようになって、おぎやはぎさんを見たときに「東京の人もやばいな」と思って。「めちゃくちゃ面白い人いる」って。

お笑いの世界は偉大な先輩が多すぎて、憧れの人とか目標にする人はいっぱいいますね。
結果全員尊敬してます。

一銭にもなってないっすよ。

僕、COWCOWの善しさんからご飯誘っていただいて一緒に行かせてもらうことあるんですけど、善しさんはめちゃくちゃ音楽好きで、善しさんに紹介していただいて色んなバンドマンの方と飲ませてもらうんです。

で、そこでお話ししてると「バンドマンと芸人ってかなり似てるなぁ」ってよく思います。

音楽とお笑いって近いものがあるのかも知れないですね。

今の僕の生活を考えると、子どものころから好きだったお笑いと、好きだった絵と、好きだった音楽っていうものすべてがいつも周りにある感じですね。

ただ、お笑いは一銭にもなってないっすよ。一銭にもっていうのは嘘ですね。よしもとからは、500円のギャラの源泉徴収10%引かれた450円がちゃんと振り込まれてるんで(笑)

僕、結婚歴でいったらバツ5なんで

とにかくどんな形でもいいから売れたいですね。

今はピンで活動してますけど、昔はコンビも組んでたんです。
コンビ組むって結婚するのに近い感覚だと思うんですよ。

僕は今ピンの方が気が楽でいいです。「別に独身でいいや」みたいな感じです(笑)

ちなみに僕、”コンビは結婚”説でいうとバツ5なんです(笑)
バツ5って結構エグいでしょ。

だってバツ5の奴に「結婚しましょう」って言われても「お〜、、マジか〜」てなるでしょ。

だから今後コンビでやることは考えてないですね。
自分一人の力で、お笑いで食べれるようになりたいっていう気持ちが強いですね。

自分がサボってるの知ってるから頑張らないと

とにかくテレビ出たいっすね。

テレビに出て色んな仕事やってみたいです。
テレビに出続けられるような芸人になることが目標です。

僕は、お笑いに関する仕事は月に10日くらいで残りの20日はバイトしてます。
僕、働きたくないからお笑い始めたのに、今一番やりたくないバイトをずっとやってるんですよ(笑)

世に出るためには、ネタとか特技で注目されて初めてきっかけがもらえると思うんです。

ネタ番組に出させてもらって、世間の方に「こういう芸人がいるんだ」っていうのを覚えてもらって、そっからまたトーク系の番組に呼んでもらったりとか。

売れてる方はみなさんそのステップを着実に上っていって売れてますから。

自分もそうやって売れていくイメージを持って、今は劇場でネタをやってます。

とにかくテレビ出たいっすね。出続けたいです。

どんだけ頑張っても「時間足りひんな」って思いますね。

自分がサボってるの知ってるから「頑張らないと、、」っていつも思ってますね。

僕最近ミスチルとか見て、、どこと比べてんねんって話なんすけど、ミスチルが今まで作ってきた曲って何百曲ってあるじゃないですか。アルバムとか、何年に一回のリリースって言ってますけど、あれだけのヒットを常に出すって信じられないですね。
でも、それって何百曲も作ってるからできる訳じゃないですか。

そういうすごい人たちがいるから、少しでも近づけるように頑張ろうと思うんですけど、どんだけ頑張っても「時間足りひんな」って思いますね。

ブルーハーツでマーシーが作った『ブルースをけとばせ』って曲があるんですけど、あれ中学生のころにめっちゃ聞いてて。

「やりたくねーことやってる暇はねえ」って歌詞があって、それがめちゃくちゃかっこよくて、それを心に刻んでお笑いやり始めたのに、今の生活はバイトがメインっていう、、。

めちゃくちゃやりたくないことばっかりしてる(笑)

自分が憧れてた人と一緒に仕事することが夢

前にたけしさんとか鶴瓶師匠とかダウンタウンの松本さんに挨拶させてもらえる機会があって、それだけで「嬉しいなぁ」っていうのはありましたね。
普段普通に生活してたら絶対に会えない方に挨拶できるだけでも幸せですね。

芸人さんってみんなめちゃくちゃ優しいんですよ。

僕は今はまだ売れてないですけど、なんとかしてテレビに出て、自分が憧れてた人、好きな人と一緒に仕事することが夢というか、、、それができたら「これ以上幸せなことはない」って感じですね。

僕ね、一回好きになったらかなり長いんですよ。
芸人は「ずっと続けよう」と思ってスタートしてるんですけど、たまに自分でびっくりするのが「ほんまによくやめへんな」っていうとこですね。

多分普通の人の感覚やったら「こんな生活してて、こんなにお金もらえてなかったら絶対やめてる」と思うんですけど、それを17年も続けてるって「お笑い好きなんやな」としか言いようがないですね。

それか、勉強しすぎてどっかネジが外れたんでしょうね(笑)

好きなことを追求し続けるコト

自分に嘘をつかずにやりたいことをやって生きたい。
これは誰もが思うことだが、誰もができることではない。

そこに挑戦しながらも必死にもがき、諦めないことに誇りを持っていると感じた。

そんな高学歴なお笑い芸人のピストジャム氏を一度劇場でご覧いただきたい。

決して”売れてる”わけではないが、彼の輝いてる顔を見るだけで何かパワーをもらえるだろう。

INFORMATION

ピストジャム Official Web

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