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夢をかき鳴らす少女 yumika

MUSIC

2018.11.26

最近なにかと楽器女子に注目が集まる事が多い世の中、彼女もその一人である。ギター女子yumika。

始めはTwitterのギターを弾いてみた演奏動画の投稿がキッカケで、今では彼女のToutube登録者数は始めてわずか1年間で7,000人以上。バンドのギタリストとして活動する前は漫画家になりたかったと語る彼女の絵はこれまたプロ並みのもの。

そんなギター女子yumikaとは何者なのか、熱く語ってもらった。

ひとりの女の子がギタリストになるまでの道

「ギター下手くそだからクビ」悔しい気持ちを抱えながら上手くなりたい一心でTwitterに投稿しました

名前はゆみかです。趣味はギターを弾くことです。中学3年生の時にアコギを触り始めたのが最初です。ギターはお父さんが元々やっていて、家に置いてありました。それで高校1年生の時に、軽音楽部に入ってやってみようかなって思って、それから本格的に始めました。

でも高校卒業してすぐに、自分の今までやっていたバンドが解散してしまって、1年間ぐらいギターを触っていなかったんです。そのとき、高校の先輩に「バンド組もうぜ」って誘われて、その先輩と新しくバンドを組んでギターをやりました。

それから3ヶ月ぐらい後に、「ギターが下手くそだから」という理由でそのバンドをクビにされ解散しました。その事がすごく悔しくて、どうにかギター上手くなって解雇された先輩を見返したいと思いました。上手くなるためにはやっぱり、人に見てもらわないと上達しないかなと思い、Twitter にギターの動画をあげてみました。

録音の仕方とかも最初は全然わからなくて・・・なんとか手探りで1000円ぐらいで買ったインターフェースとギターと iPhone をつないで録音したものをTwitter にあげました。

初めてあげた動画も、案外見てくれる人がいて、その1本目の動画から繋がりができました。そこから徐々に動画をたくさんあげていって、繋がりを広げて、動画もちょっとずつ伸びるようになっていきました。

もっと多くの人に見てもらいたい!

Twitterの後にYouTubeにも投稿するようになりました。YouTubeは 、自分が耳コピができなくて困った時に、「ギターを弾いてみた動画」をあげている人のを見て参考にしてました。だからYouTube ってわりとその時の自分のような人が見る機会が多い場所なのかな、と思ってました。

YouTubeは 、自分の弾いてみた動画を見て、耳コピしてくれる人とかもいたらいいなと思って始めたのがきっかけです。Twitterよりもっと見てもらえるんじゃないかなって思いました。

Twitter の演奏動画も閲覧数がだいぶん伸びるようになりました。 同時進行でYouTube も再生回数がだんだん上がってきました。私、バンドもやっているんですけど、自分のバンドの宣伝とかにも役に立ってるかなーって思ってます。見てもらえる人が増えました。

YouTubeで一番伸びている動画で60万回ぐらい再生されてる動画があって、チャンネル登録者数が7000人ぐらいになりました。

バンドのギタリストとして始まる新たな道

ギターには指一本も触れない日々もありました

高校生の時に、3年間組んでたガールズバンドがあるんですけど、卒業をしてからはメンバー4人全員が就職してバラバラになってしまって、バンドが出来なくなってしまったんです。

私自身も会社に就職ました。毎日慣れない環境で、3年間ぐらい会社員というギターから離れてしまった日々を送りました。1年目は本当に、ギターに指1本触れませんでした。そんなときに、高校時代の先輩から「バンドやろうぜ」っていう声がかかって、またギターを触り始めてった感じです。

ずっとバンドしてたので、高校卒業後にバンドがなくなってしまってからは、一人で弾いてたりしました。でも誰かに披露するわけでもなくて、「1人でやってるのってなんかつまらないなー」って思ってしまう時期があり、1年間ぐらいギターに触れませんでした。でもまたバンドに誘ってもらえて、「やっぱギター楽しいなってな」って思えるようになったんです。それからはずっと弾いてますね。

さっきも話に出てきたんですけど、その先輩に「ギター下手くそだからクビ」って言われて悔しい思いもするんですけど、結果的には今自分の本気でやってる新しいバンドとも出逢えて活動できてるのでよかったなって思ってます。

今ではギターは気が付いたら常に弾います。体の一部みたいな感じですね。ギターを触ってないと気が済まないというか、生活の一部になっています。

親に夢を反対されても、やっぱり私はバンドがやりたい

就職して、毎日同じ時間に起きて、同じ時間に出勤して、1週間経って、ていう生活を続けるのは、自分的にはつまんないなって思ってたんです。でも親からしたら、子どもにはそうあって欲しいんだろうなとは思います。バンドのこと反対されたし、最初はなかなか認めてくれなかった。

始めは自分も、仕事辞めてまでバンドをやるとかありえないなって思う側の人間だったんです。でもなんだろう・・・長い目で見ると、このままバンドやらないでずっと会社で働き続けるのは、つまんないかなって思って。

やっぱ今しかできないことを、やらないで後悔するんだったら、やって後悔する方がいいと思うんです。自分の人生だから、自分の好きなようにしようって。

以前は、絵を描くことも好きでした。漫画家になりたいと思っていたんですけど、その時にも「お前には無理だ」って親に反対されてしまって・・・その夢は諦めてしまったんですけど。

でもそれから、いろんな事があって、今。ギターを弾くようになって、これが私の本当にやりたかったことだと思っています。今の道を選んだことに後悔してないし、戻りたいと思わないですね。

生きるか死ぬかの思いでツアー廻っていました

今年の3月から5月に末にかけてツアー廻りしてました。

ツアー先の会場までは、基本的には車で行きます。九州の方は一番大変で、片道20時間ぐらいの道を、メンバーでローテーション回して運転してました。私は運転できないので、メンバーには本当に感謝してます。車で行くのって大変なんだなって心底思いました。

そんな感じで色んな地域や町へ行ってきたんですけど、特に印象に残ってる県は岐阜。岐阜でライブをした時は、一番自分的に人が温かくて、一番いいライブができたなって思いました。全国周って、やっぱ一番納得できる ライブの形が、岐阜で何か見えたっていうか。とはいえ、納得できるライブっていうのはまだできたことないですけど。

岐阜を周ったのはツアーファイナルの直前くらいでした。あの日はちょっと違った何かを感じましたね。バンド自体、高校の時軽音部でちょっとやってたぐらいで、ライブハウスでライブするというのも、今組んでいる『GREED FIVE EGG’S』っていうバンドが初めてだったんです。本当に何もかも初めてのまま、ツアー廻りました。

短期間でいろいろ詰め込んだって感じです。そのおかげで、たぶん何年分ものいろんなバンド経験を、凝縮して吸収できましたね。自分にとってもバンドにとっても凄く大きな経験ができました。

夢に向かって突き進み続ける

楽しいことばかりではないですよ

先ほども話したツアーですが、このツアーがとにかくお金がかかったなーって感じです。交通費、 ETC 代とレンタカー代と、あと駐車場代とか、宿代、食費。CD をレコーディングするにあたっても何十万っていうお金がかかるんですよね。それと、グッズ1つ作るのにも、すごいお金がかかりました。

でも出費ばかりじゃなくて、ライブに来てくれるお客さんとか、ライブに来て、「良い」って思ってくれてグッズとか買ってくれる人もいてくれたんです。そういうのがもすごく嬉しくて。そういう瞬間があるから、お金はかかるけど、ちゃんと認めてくれる人、見てくれる人がいるから、その人たちのために頑張ろうと思えますね。

そういう気持ちにプラスで、心が折れてしまいそうになる時には、「今まで悔しい思いもしてきたから、バンドで売れて、見返してやりたい」っていう気持ちにもなれます。そこでまた新たに気持ちが燃えますね。

相棒の宝物のギターと、大切な人たちへ恩返しをする!

先はどうなるかわからないけど、自分が会社を辞めてまでバンドするというあの時の大きな決断をしなかったら、一生全国ツアーをバンドで廻ることも絶対になかったと思います。

今のバンドメンバーにも出会えたことも本当に奇跡だと思う。バンドやってみて、やっぱり自分は音楽が好きだなっていうのを再確認できたし、このメンバーで大きいところに立ちたいという夢ができてしまったので、もう後は夢に向かって突き進むだけですね。

今まで自分のバンド『GREED FIVE EGG’S』は、わりとラウドよりなガールズバンドって感じだったんですけど、今後はちょっとギターロックの要素も取り入れた曲も作っていけたら面白いかなと思っています。1つのジャンルに捕らわれない、いろんな色を持ったバンドになりたい。

私はとにかく人の笑顔が見たいです。自分がどうこうっていうより相手が喜んでくれるのが自分も嬉しいですね。あとはやっぱり音楽をやっていて感じたことがあって、こんな自分にも助けてくれる人ってのがいっぱいいるんだなって思いました。今の自分はその人たちにありがとうって言うことしかできないんですけど、ちゃんと形にして、助けてくれる人にいつか恩返ししたいなって思ってます。

バンドに誘ってくれたメンバーもすごく大切だし、応援してくれるお母さんとか妹、家族も大切。助けてくれる友達も大切。今メインで使っているsugiってギターがあるんですけど、そのギターはもう、人生で最初で最後の高い買い物と思って買った、本当に宝物のギターなんです。だからそのギターでお世話になった人たちに恩返しをする。それが私の夢であり、目標です。

強い志で切り開いた本当にやりたかったこと

周りの環境や、卒業、就職などで、一度は諦めた音楽への道。しかしむしろ、一度離れたからこそ知れた本当に自分が好きなことへの気持ち。そこには色んな人たちとの出会いや、悔しい思いを経験したからこそ、より一層強い気持ちで人生の選択をできたのではないだろうか。

意思あるところに道は開けるということわざのように、きっとこれからの無限大の可能性を秘めた彼女の人生において、なにかわくわくするような大きなことをしてくれることを期待して、今後の彼女の動きにも注目していきたい。

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