生まれてきた時の体は男性として・・・
でも心は女性として生まれてきた方の話をこれからしようと思う。
その方の名前は「はるちゃん」。
話を聞けば聞くほど、女性として、一人の人間としてポジティブ且つ現実家な面に惹かれていく。
はるちゃんが今まで見てきたもの、感じてきた世界に焦点をあてて色々と話をしてもらった。
私は私、人は人。
なんでこんな感じなんだろうな・・・
自分が女の子だと自覚し始めたのは4歳の頃だったと思う。
仮面ライダーとかヒーロー物のテレビ番組が好きだったんだけど、その理由はカッコイイ人がいっぱい出てくるからw
NHKの『お母さんといっしょ』も体操のお兄さんが好きで観てました。
小学生になってからは他の男の子にから「なよなよしてんなよ!オカマみたい!」ってちょっかい出されたりしてて。
あまり記憶には無いんだけど、「女の子に生まれたかったもん!」って声を大にして言ってたらしいです。
いつか絶対見返してやる
学生の頃ってプールの授業があるじゃないですか。
体つきがまだ全然男の子だったから恥ずかしいし、周りの男子には揶揄われて悔しい思いをしましたね。
その位からですかね、「いつか絶対見返してやる!」という気持ちが芽生え始めたのは。
でも、好きになるのは男子だから、先輩とかにドキドキもしました。
中学では陸上部に入ってたんですけど、先輩が熱くてTシャツをいきなりバッて脱いだりした時とか恥ずかしくて見れなかったです・・・。「なにしてるの!汗」って真っ赤な顔してたと思います。眺めてる分には楽しかったですけどね!笑
そう考えると、悔しいって気持ちは、普通に男性に愛されたいっていう気持ちもあって・・・でも、揶揄ってきた人達に関しては見返したい部分もあったので複雑な感情でしたね。
でもやっぱりモテたいって気持ちが一番強いのかなって今考えると思います。
そこって大事で、女として見られてる=性的な目で見られてるって意味合いも含むじゃないですか。そこは中身も外見もイイ女になってやりたいって気持ちがあります。
見返したいっていうよりも、可愛いって認めてもらいたいってとこだったのかなって思いますね。
一括りにしないで欲しい
今、テレビ含め色んなメディアでニューハーフタレントさんを見かけるようになりましたよね。
ただ、そこと一緒にされたくないし、ニューハーフっていうカテゴリで一括りにされたくない。
だってどんなにカテゴリに括ったところで、一人一人違う環境で育ってきてるんだから「一括りにされていい思いしたことありますか?」ってなるんですよね。それで傷つくこともいっぱいあるなって。
例えば、他の人がいたとして、その人にはこうだよって教えてくれた人がいて、でも私はそういう風に教えてくれる人いなかったじゃん、これが当たり前でしょって言われても、私にとって当たり前じゃないんだけどっていう風に思うんですよね。
憧れは『お母さん』
未だにお母さんからは認められてないんです。「いつまでそんな遊びやってるの?」って言われるから苦笑
私にとって一番の憧れは、見た目どうこうは自分の理想でしかないからあんまりいないんだけど、お母さんです。え?意外!どうしてって思われてしまうかもですけど、中身に関して言えばやっぱりお母さんを超えたいなっていうね。
やっぱり育ててくれた人だから、その人みたいになりたいっていうのは思うんですよね。
私も人並みに反抗期があって、それに対して真っ向からちゃんと受け止めてくれた人だなって思うと、誰かの支えになれたり育てられる人になれればいいなって思う。
女性像というよりかは人としてお母さんには凄く感謝してるし、憧れの気持ちが強いですね。見た目もそう。
私、整形狂いにはなりたくないからいじってるのは目だけで、元々奥二重だったんですけど二重にして。その時にお母さんにそっくりって思ったけど、お母さんは元から天然で二重だったし、悔しいですね!笑
将来の夢・未来の想像
こんな世界を考えてくれてありがとう
本を読むのが好きで、たまたま凄く共感できて素晴らしい世界観を描いた本を見つけて。
『オメガバース』って言って、本の設定が男性同士でも女性同士でも子どもが出来るっていう世界。
本の中だけの話だけど、素晴らしい設定だなって。
物語上でもそういう風に子どもを授かれるっていう設定を考えた人に私は本当に「ありがとうございます!」と言いたいです。いつか医療が発展して現実社会でもそんな事が実現されたらいいなって思う。
小さい頃・・・小学校2年か3年生くらいの時から、まあ意識してたことだからねえ。まあいわゆるBLとかの本を読んでたりとかしてたんで、BLだろうと、TLだろうと、GLだろうと全部ね、愛し合う人がいるっていいなみたいな。
性別を超えて子どもを授かれる世界になったら本当に素晴らしいと思いますね。
それを見つけたとき嬉しくて泣きました
学生の頃、元々趣味だったお菓子作りの専門学校に行っていて、先々これで仕事してくでもまあいっかって思ってたんです。
ただ、本当にやりたいことはそこでもなかった。
お菓子とかパンとかって日常を潤すけど、困ってる人を助けるものではないんだなって思って。医療は困ってる人を助ける、美容面でもいい、そういう悩みがあるならその人の悩みを解決する。
私はその人の人生における悩み、苦しみとかを少しでも癒してあげれる存在になりたいんだなって気づいて。
そんな時に本当に自分がやりたいことを見つけたんですよ。それが鍼灸師!
美容系の話も好きで、医療系の話も好きで、メンタルに関する話も凄い好きだったので、鍼灸師って総合的に関われる事を知って「コレだ!」となりましたね。
それに気づけた時は本当に嬉しくて泣きました。私がしたかったことはコレなんだ!!って。
女性として、夢に向かって頑張っていきたい
女性としても、自分のやりたい仕事のためにも頑張って生きていきたいと思っています。
今は鍼やお灸の勉強をするために、一生懸命お仕事してお金貯めてて、毎日目標を持って生活しているのがとても楽しいし!
自分が女性として生きていく為の手術費用、専門学校へこれから通うための入学費、あとその時用の生活資金とか、いっぱいお金はかかるのでw
でも自分のやりたいこと、なりたいことのためにも一生懸命働いて、今月はいくら貯まったとか、目標にいくら近づいたとか、目標を設定してそれをクリアしていくのが凄く楽しいんですよね♪
女性としては今後下をとってその性器の形をして、戸籍も変える。下をとらないとその性器の形を成してないから認めてもらえないからね・・・苦笑
もしくはそういう人たちが働ける場所を提供できる人にもなりたいかな。夢大きいんだけどね。。。
あとはやっぱり将来的に好きな人の子供を授かるとかも夢かな〜。
と色々言ったけど、女性として、恋愛も仕事も人としてもしっかり生きていく『魔性の女』になるのが夢(目標)かな!
魔性の女になりたいの
日々彼女から見える視点、気持ちや考え方から過去のお話まで今回沢山お話しをしてくれたはるちゃん。
「取材をうけることでいろんな人にこんな考えを持った人もいて、記事として面白くなってくれたらいいな。ひとりひとりの“人”にフォーカスをあててるのが素敵ね!」ともコメントを頂戴した。
その言葉にもはるちゃんの人としての温かさ、人間味を凄く感じられる。
男性と女性。どちらの気持ちも分かる彼女からの言葉は凄く斬新で、時に切なくて性別関係なく刺さるものがある。
明確な夢(目標)を持ち、歩き続けるはるちゃんがどんな『魔性の女』になるのか。。。これからが楽しみだ。