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好きを仕事に。デザイナーとして独立したシュトウ氏の今の思いとは。

ART

2019.4.16

デザイナーとは一般的に、第3者の思いをデザインに起こし他者に伝える仕事である。
“自分の感性”を信じ、”自分の経験”を信じ、あらゆるものを形にしていく。
そんなデザイナーという仕事への思いや苦悩、そして独立という道を選んだ胸の内を今回はじっくり語ってもらった。

ずっとやりたいことだった

1歩前に進みたい

1番最初は自分のバンドのマーチを作りたくて、でもバンドできない時期が長くて。
ハタチからバンドを始めた頃に親戚のおじさんにパソコンをもらって、作りたい気持ちは変わってなかったからそこからそのパソコンを使って自分のバンドのデザインをするようになって。

やりたいと思ったきっかけじゃないけど、ライブハウスで好きなバンドのTシャツ着て遊んでって自分がしてた時に、自分が作ったものをこうやって誰かに着てもらいたいなと思ったんです。

デザインはまあ作れるほうだったというか、もともと好きではあったからやるんだったら全部自分でやりたいなと思って。

で、ライブハウスで働き始めてフライヤーとかマンスリーとかそういうのを作るようになって、そしたら徐々に友達が頼んでくれるようになって。

その経験も生かしてその後は新宿の制作会社に3年半ほど勤めて、ある程度そこでスキルというものはもらったからまあもういいかなってところで辞めました。

ちょっとチャレンジじゃないけど、自分も1歩前に進めれたらいいなと思って、独立したっていう感じですね。2019年4月1日から。

大変さも楽しさに

元々絵は好きでしたね。だけど、書ける時と書けない時の差が激しくて。
デザインとして絵が描けたらと思う時も多いので波なく描けるようになりたいです。
自分がデザインに使ってたり、好みなのが主にコラージュとかなので。

僕のデザインはどこかダークな感じなんですよね。デザインの得意ジャンルみたいなものが。
暗くなっちゃう、どうしても。性根っていうか。

かっこいい感じのが多かったり、シンプルだったり、ごちゃごちゃとか、極端な感じ。
これを強みに変えていければいいんですけどね。

1番最初は自分のブランドを作って、そこで1回Tシャツを作ってみたけど思っていたより大変でした。
しかもその当時は今みたいに簡単にネットでショップを開けるっていうのは無かったから。

手探りで業者探して、こんなデータでいいのかなって思いながら送って。
大変だったけど、まあいざできたらやっぱ嬉しいくて。
でも結局売れずに配ってました。友達に。

自分の可能性をどんどん広げたい

フリーになった今は、何でもできることはやっていきたいですね。
それこそポップなのでもいいし、自分の可能性をどんどん広げていきたいですね。好きなジャンル問わず。

何かデザインやってて楽しいのはやっぱ作ってる時が楽しいですね。
まっすぐ集中するのが結構好き。
それが形になったら嬉しいし、誰かに喜んでもらえたら嬉しいし。

その反面、作りたいけどどうしたらいいか分からない時は辛いです。
やっぱり人の思いをデザインに変えるわけだからできる時ってぱっとできるかもしれないけど、マジでできない時ってできない。やっぱ自分が納得してから出したいし。

でも人の意見を汲み取ったり、提案したりっていうのは、まあきついけどでもそれも楽しいことになるのかな。
だから今のとこきついってことはないのかも。何でも吸収、何でも経験ですね。

みんな0からのスタートだから、何か取り得がないとアイデアが出てこないというか。
何でも吸収してごちゃまぜにして、きつくてもデザインを出すしかないのかなって思ってます。

友達のライブのフライヤーとかも作るんですけど、作るにあたってそのイベントのイメージや雰囲気を知りたいので、こまめにクライアントと連絡とったり、そのメンバーの1人になるじゃないけど、みんなと一緒に作っていけたらなっていう感じでやってはいますね。

デザイナーって内職のイメージあると思うんですけど、そういう面では意外とコミュニケーションの仕事なんだろうなって思います。

好きなことを好きなやつと

フジロックに出ました

バンドに関しては、”ROOKIE A GO-GO”ってフジロックのオーディションみたいなのがあって。書類審査のみなんですけど、応募したらたまたま奇跡的に受かったって感じで出れたんですよ、フジロックに。

ルーキーのステージはメインのゲートの手前にあって誰でも見れるんです。
だから23時半くらいから始まって、みんな俺らやる時は、メインアクトを見終わった人たちが帰ってくる途中に見てくれてちょっとしたBECKみたいな感じ。

もうとにかくめちゃくちゃ気持ちよかったです。

バンドはもう基本マイペースなんで、今後もやりたいことやる。
そこはもうスケートもそうだし、バンドも趣味の領域でっていう。
本来デザインもそうなんですけどね。全部遊びの延長じゃないですけど、楽しくできればいいなって。

絵も好きなんですけど、どっちかって言うと見るほうが好きで。
街中に貼ってあるようなステッカーだったり、ストリートアートが好きですね。

コラージュとかの展示も見に行ったりするし。
全然関係ないクラシックの絵画みたいのも好きですよ。
見るだけでもいろんなデザインや絵があってただ単に勉強になりますね。

デザインする面で得意不得意はあるけど、見る分にはオールジャンル好きですね。
そうことで言えばこの仕事は趣味にも近いかも。趣味がそもそも音楽とスケートとデザイン。
写真もちょっと撮ったりします。

好きでいるための努力

遊びの延長を仕事にしたときって、やっぱ上手くいく人ももちろんいると思うし、でも逆に上手くいかずに嫌いになっちゃう人もいたりすると思うんですけど、まあ楽しめなかったら嫌いになっちゃうだろうから、面白くないことも楽しめたらいいかなって。
楽しくやってても全部が全部楽しいことだけじゃない。気の持ちようなところはあるかな。嫌いになろうと思えばいつでもなれる感じ。

バンドで言えばやっぱ、こいつらとだから楽しいなとか。
仕事も、じゃあどうやったら楽しめるかなっていうのを上手く見つけてやってけたらいいなとは思ってますね。

そんな中で今回フリーにのは、組織って会社ってやっぱ生活の大半その人達といるわけじゃないですか。
そっちに嫌気が差したっていうのもある。

じゃあ自分でやってやるよみたいなのもありましたね。結構反骨精神みたいな。

まあダメだったら再就職すればいいかって思って。まだチャレンジはできる歳なので。
でもまあ2年前に結婚して、養う身なので、そんな気楽な感じで仕事はできないんですけど。

新たな挑戦

やっぱ人と人ですよね。繋がりは大事です。

繋がりでいえば、今後はHEY-SMITHのYujiくんと大阪のスケーターのモットンさんと3人でアパレルブランドを始めるんです。”HAZED(ヘイズド)”っていうブランド。スケートしながら楽しくやれたらいいな。楽しいが1番ですよ。

元々服とかやっぱ好きだったというか、好きだけど別にファッションに敏感なわけじゃなくて着たいものを作って着たいって気持ちが強くて。

オリジナルのショップとかできたらやっぱテンション上がりますよね。
お店番しながらデザインとかできたら最高ですね。
スケーターとかストリートブランド好きな子たちが来て、一緒に喋ってるの楽しそうですよね。
でもやるからにはスケート、音楽好きだったり、関係なく楽しくできたら。

なんでもやります

デザイナーとして

あと今後は、これといったビジョンはないんですけど、作りたいと思ったものを作りたいし、希望に沿ったデザインを作りたい。
楽しく長くいきたいです。
フリーになって個人とやりとりができるようになったし多種多様な人たちの意見をデザインに変えていきたい。

人の思いを形にできる職業って色々あるとは思うんですけど、その人の思いにアートと加えるのはデザイナーならではかなと思っていて。

そういう職業だからできることもあると思うので、今後はデザイナーという立場を生かしながら誰かの思いに応えていければいいかなと思いますね。

独立したからこそ

ちょくちょく色々見てて影響受ける人はいるけど、何か理想というか好きなデザイナーさんとかは別にいないんです。
バンドやってる時もそうなんですかね。好きな人はいるけど、これが自分の理想って人はいなくて。それでいいのかなとか思いながらも模索してやってます。

仕事は絶賛募集中って感じですね。なんでもやるし。
まあこれは独立した強みですよね。なんでもやる気持ちもあるし、なんでもやる環境も整ってる。

デザインってその人の特徴っていうか、結構デザイナーの色が出ると思っていて、
だから自分もそういう自分色をもっと濃くして強みにしていきたいですね。
デザインを見ただけで俺ってわかるような。

勉強も含めてこれからもっといろんなニーズに応えてデザインやっていきたいです。

なんでもやるという覚悟

デザイナー。これほど他者の意見に左右される職種も珍しいだろう。

自分が納得しているデザインだとしても、周りがNOといえばNOになってしまう事もある。

決して楽ではないこの仕事をあえて選び、周りと自分の意見のギャップをただ”辛い”と捉えるのではなくそのギャップも楽しさに変えてしまうような芯のあるデザイナーのシュトウ氏。

独立し、やっと自分の好きなことを好きなようにできる1歩前に進んだ彼のこれからのデザインが楽しみである。

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