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みんなが良かったと思えるきっかけを作りたくて ブッキングマネージャー西谷直登

MUSIC

2018.8.12

東京郊外に位置する多くの人が相見える立川に佇むライブハウス『立川バベル』

そこに自身の様々な経験を経て再びライブハウスを盛り上げようと奮闘するブッキングマネージャー西谷直登がいる。

彼が長年キッズとして遊び、感じてきたライブハウスへの思いを語ってもらった。

繋がりのきっかけを作るブッカーとして

365日、24時間イベンター

ブッカーとして、立川バベルで開催するお店のイベントは全部、自分たちが組むイベントだったりとか、共同企画でやるものだったりを毎回色んな構成をして組んでる。

積み上げて来たイベントがいくつかあって、そこにバンドの色を合わせてやっていくっていう。

メロディックのバンドでも、ジャンルで揃えるのも面白いんだけど、あえてそこに歌もののバンド入れたりだとか、 このバンドとこのバンドが繋がって、その後何か色々なところでやってもらえたらいいなと考えたり。

「面白いよね」っていうのを基本的に頭に入れてやる感じかな。

1日が面白くなればいいんじゃねっていう閃きで。

数合わせでイベントを組まないっていうのは、一応ポリシーとしては持ってる。

とりあえずスケジュールを成立させないといけないから、出てもらうっていうのはブッカーとしてしたくない。

お店にいる時間は出勤時間としてあるけど、やっぱりこういう仕事って、いつ何時にバンドから連絡が来るか分からない。

だからブッキングっていう仕事は365日、24時間イベンターって感覚でいるね。

出会いのきっかけは、別に俺はなんでもいいと思ってる

Twitterやっててとか、今SNSが凄い流行ってるから、そういうので色々知り合ってくじゃない?ブッカーとしてもチェックはするし。

「ライブを観たこともないのに誘ってくるのってどうなんだ?」っていう気持ちはすげーわかる。

でもいいバンド、かっこよさそうじゃんっていうのを、そのまま手放しに捨てるのも勿体無い。

出会いのきっかけっていうのは、別に俺はどういう形でもいいと思ってる。

全然接点もないバンドとかを誘わせてもらって、すげーそこでバカなこととかも聞いてくれたりとか、個人的に話が合って、めっちゃ仲良くなるケースもいくつもあるから。

ライブハウスに出入りしている兄ちゃんって、どのライブハウスにでも1人か2人はいるじゃん。俺もその感じだった。

ブッキングって仕事についたのも、当時立川バベルでブッキングをやっていたのがたまたま専門の同級生で、面識はなかったけどライブしたりしてくうちに一緒にイベントやって。

それが延長していって、ぬるっと始めたわけだし。

あくまでサポート役

ライブハウスで塾長って呼ばれることあるけど、これはやってるバンドが情熱的だからなだけで意味はなくて。

事務所の清算って説教タイムみたいなのあるじゃん?

全然俺の中の感覚では説教とかするつもり無くて、むしろ色々一緒に考えてもっとより良い方法を見つけたりとか、そのバンドがもっとやりたい事を聞いた上で、じゃあ、こういう風にやった方がやりやすくなるんじゃない?みたいな話をしたくて。

あくまでも自分はサポート役。

最近のブッカーって、なかなか良いアドバイスというか、感じたことを素直に言ってくれる人が少なくなってくる。

「今日もよかったっす!」みたいな、「じゃあ何が良かったの?」とは言わないけど。何か物足りなさもあったりで。

俺も今バンドやってるけど、始めた当時はなかなかライブできなかったし。元々は客だったから、いつかこういう場所でって憧れながらずっと過ごしてて、ガッツリできたのは30超えてたから。

今はもう、20代前半でそういうのガシガシみんなやるじゃない。

だからちょっと皆が過ごしてきたバンドの感じとは違う角度からバンドのシーンに入って、やってきてる感じもあるんだと思う。

それぞれの歴史はあると思うけど。そういう観点で色々感じるものがあるから。

気持ちで繋ぐ面白い場所

ビジネス的観点でみれない

俺が今まで憧れてきたバンドを立川に呼ぶって言うのも、もちろん一つの目標ではあるかな。

まだまだいっぱい呼べてないバンドもいるしね。

じゃあそこに対して、どういう行動とっていくのかっていうのもそうだし、あとは地元のバンドがもっと地元に根付いてもらって、どんどん大きくなっていってくれれば、それはそれで嬉しいし。

ブッキングとして一つ一つ今以上に濃厚にしていきたい。

俺はどうしてもバンドをビジネス的視点で考えられない人間なので。

気持ちだったりとか、そっち側で考えてしまう。

強みでもあるかもしれないし、見る人から見れば、弱みでもあるかもしれない。後はそこのバランスをどうしていくのかっていうところかな。

働かせてもらってるからには、向き合っていかなきゃいけないところではあるかな。

究極の理想は面白いことしかしたくない

値段のついていないものに値段をつけなきゃいけない部分ってあるじゃない。それをやっぱり、お店として商売としなきゃいけない。

出ているバンドが飲食店でいうところのメニューになってくる。

それがやっぱり面白くなきゃお客さんもつまらないし、来たところで1日が楽しくなかったら損した気持ちになって帰るわけ。それも悔しいし。

その1日を作っているこっち側としたら、バンドもお客さんも楽しんで納得してくれなかったきゃやっぱイヤだ。

俺の場合はプラスで働いているスタッフも全員含めて。

でもそういう日ってやっぱり、自分がバンドやってると遭遇するじゃん。「今日なんかやばくない?」みたいな。

お客さんもめっちゃ楽しそうだし、出てるやつらも楽しそうだし、スタッフもめっちゃ楽しそうだしっていう日。

やっぱりあると思うんだよね。そういう日を1日でも多く作っていきたいかなっていう感じ。

それでなんかここにくれば楽しい、ここに行けば誰かいるっていう。小難しいことは、あとは頭がいい人がやってくださいみたいな。

俺にはもうそれしかできねえっす。それしかやりたくないっす。究極の理想は面白いことしかしたくない。

格好良くなれる素質って全員が持っている

今バンドやってる子達に対して長くやってるのが偉いでもなんでもないんだけど、

バンドだけじゃなく簡単に物事を諦めないで欲しいかな。

バンドってどっちかって言うと、自分で決めてやってるやつがほとんどだと思うんだよね。

でもなんかつまらない事とかで挫折しちゃったりとか、諦めちゃう子って、ここで働いてるとすごく多く見るから勿体無いなぁと思って。

せっかく自分で「これだっ!」て見つけたものができたんだったら、どんな環境になってもやってみればいいじゃんって。

それぞれの考え方があるから一言で表すのは難しいし、どういう子達がどんな活動してるか知らないけど、全てのバンドマンに頑張ってほしいし、全てのバンドマンに格好良くなってほしいな。

才能とは別に、格好良くなれる素質って全員が持っていると思うから。すぐに諦めないで追求していったら、もっと面白くなるんじゃんて、俺は思うけどね。

ライブハウスももっと活気付くだろうし、バンドシーンももっと面白くなっていくよ。

夢のある話をしよう

自分がキッズだったあの頃のように自分も、みんなも楽しめる場所に。

キッズ達も、あの頃ライブハウスに通っていた人達も、色々なものが繋がってライブハウスが盛り上がるように。

これからも、立川バベルは続いていく。

INFORMATION

立川BABEL

militarysniperpinfall Official web site

 

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